○震災に伴う火災調査要領

令和3年1月28日

消防長決裁

第1 趣旨

この要領は、吉川松伏消防組合火災調査規程(平成23年吉川松伏消防組合消防本部訓令第1号。以下「規程」という。)第5章の規定に基づく、震災に伴う火災の調査について必要な事項を定める。

第2 基本事項

1 用語の解説

(1) 震災に伴う火災調査の執行体制及び震災に伴う火災の指定

規程

第53条 消防長は、大規模地震の発生に伴い、警防規程第3条に定める警防本部が設置されている間に発生した火災(以下「震災に伴う火災」という。)の調査に対し、組織的な執行体制の確立に努めるものとする。

第55条 消防長は、震災に伴う火災の調査を円滑に実施するため、当該火災が発生した期間及び地域を限定し、震災指定火災として指定することができる。

ア 震災に伴う火災調査の執行体制

消火・救助活動が概ね終息した時点で「被災者の保護と災害復興に向けたり災証明の発行」が優先目的となる。しかし、通常の調査体制ではり災証明の発行遅延のおそれのほか、地震火災の記録となる火災調査事務に不都合が生じるおそれもあるため、震災に伴う火災の執行体制について定めるものとする。

なお、「震災に伴う火災」の定義については、地震被害を震度で一概に区分できるものではないため、地震の発生から警防本部解散までの間とする。

イ 震災指定火災の指定

震災に伴う火災は、通常時の火災調査体制でも対応可能な場合も十分にありえるため、「震災に伴う火災調査要領」は、震災に伴う火災のうち、壊滅的な被害によって通常の調査体制では円滑な活動が困難となることが予想され、震災によるり災者の保護と復興支援を優先した調査活動が必要と判断した場合に、発生した期間及び地域を指定した火災(震災指定火災)を対象とする。したがって、指定がなかった場合は、通常時の火災調査要領に基づく事務を行う。

(2) 震災に伴う火災の情報収集

規程

第54条 課長及び署長は、震災に伴う火災については、地震発生直後から災害状況の記録及び調査のための情報収集に努めなければならない。

災害状況の記録

震災に伴う火災の災害状況は、以後の火災調査資料や将来の災害対策資料として重要となるため、震災消防活動中における被害の進展状況を写真撮影等による記録に努めること。

なお、警防本部の要員や対応状況に応じて予防班を管内の火災発生状況調査に出動させることができる。

(3) 震災指定火災の調査活動

規程

第56条 課長及び署長は、震災指定火災の調査については、り災の証明を行うための火災損害調査を優先するとともに、出火原因及び延焼経路等の記録に努めるものとする。

2 震災指定火災の調査の要領については、別に定めるものとする。

震災指定火災の調査活動は、次に掲げる事項に重点を置き実施するものとする。

ア 地震発生直後から消火・救助活動が概ね終息するまでの間は、情報収集及び火災状況の記録を主眼に実施する。

イ 前ア以降からり災証明の発行までの間は、り災証明発行のための損害状況調査を優先して実施する。

ウ 前イ以降は、火災による損害調査、出火原因、街区の延焼経路及び延焼要因等の記録を重点に実施する。

(4) 震災指定火災における調査員の確保

規程

第57条 課長及び署長は、震災後の行政対応を考慮し、可能な限り震災指定火災の調査員を確保するとともに、時機を失することなく現場の見分、写真撮影等の記録を行わせるように努めなければならない。

消火・救助活動が概ね終息した時点で、各々の火災を担当する調査員を指定しつつ必要人員を把握しなければならない。

なお、課長及び署長は、規程第12条の調査の実施区分に捉われず構成市町の火災発生状況及び被災状況を勘案し、必要な要員を確保する。

(5) 震災指定火災のり災証明書

規程

第60条 課長は、構成市町と震災に伴う被害状況等の情報を連携し、震災指定火災の調査結果に基づき、迅速なり災証明事務の対応に努めるものとする。

り災証明の発行については消防計画第2章組織計画第4節業務継続計画第1の基本方針で継続業務項目となっており、また、被災者保護と災害復興に向けた取り組みとして、火災によるり災証明の発行は消防機関が早期に行うべき事務である。

ア り災証明の発行は、整合性を確保するため必要に応じ構成市町と証明内容を調整し、り災者の保護と利便性を考慮した「発行開始日(期間)と場所」を決定、公報したうえで行う。

(6) 震災指定火災にかかわる調査書類の作成と報告

規程

第59条 課長及び署長は、震災指定火災の調査書類については、第44条に定める調査書類の記載内容を変更し、又は書類の一部を省略し、作成することができるものとする。

ア 震災指定火災にかかわる調査書類の作成

調査書類の作成と報告については、規程第44条に定める調査書類を第4の「震災指定火災の調査書類作成要領」により一部省略し作成できるものとする。

なお、質問調書(規程様式第1号)又は現場質問調書(規程様式第1号の2)は「震災聞き込み調査票(様式第4号)」で代用するものとする。

また、課長及び署長は震災指定火災の調査書類の作成にあたって、規程第12条の調査の実施区分に捉われず相互に協力して調査書類を作成するものとする。

イ 震災指定火災にかかわる調査書類の報告

消防長への提出期限は、出火を覚知した日から起算して180日以内とし、期限内に処理が困難となったときは、吉川松伏消防組合火災調査規程事務処理要領(平成23年消防長決裁。以下「事務処理要領」という。)第5、4の別記様式により、その旨を消防長に報告するものとする。ただし、災害事象の終息とともに警防本部が解散した時点で火災調査体制も通常体制となるため早期の提出に努めること。

2 火災件数等の取扱い

震災指定火災における火災件数等の取扱いは、平成25年3月29日付け消防庁通知「火災報告取扱要領の一部改正について」(消防情第58号)を基本とする。

(1) 件数の取り方

ア 同一の消防対象物において、同一の地震動により同時期に複数箇所から発生した火災は1件の火災とし、出火箇所は焼損の大なる方とする。

イ 複数の消防対象物から出火した火災が合流し広範囲に渡って焼損した場合は、火災発生状況の記録、活動中の見分、現場見分及び関係者の供述等から総合的に検討し、判明した火元の数を火災件数とし、判明しない場合は1件の火災とする。

ウ 出火した消防対象物が、地滑り、崖崩れ、津波等により移動し、他の消防対象物に延焼拡大した場合は一連の火災とする。

(2) 焼損範囲の取扱い

複数の火災が合流した場合の焼損範囲は、街区、道路及び河川等により便宜的に区分して評価できるものとする。

(3) 火災種別の取扱い

火災発生時における当該消防対象物の機能の有無を判断することは極めて困難となるため、火災種別については焼損した物件により火災種別を区分するものとし、建物が建っていた場所で建物が焼損していれば「建物火災」として取り扱い、車両、船舶、航空機についても同様とする。ただし、構成市町所管である建物損壊調査の結果と照合した結果や消防活動中の被害情報等から、出火時に既に倒壊又は全焼していたことが判明した場合など、建物として機能を有していないことが明白な場合は「その他の火災」として取り扱うものとする。

なお、移行火災の概念は通常時のとおり取り扱う。

(4) 火災による死者の取扱い

火災現場で発見された焼死体については、火災によって死亡したものか、倒壊等によって死亡したものかの判断は困難であるため、死因が判明しない焼死体は火災による死者とする。

また、震災に伴う火災における検索救助の困難性や医療機関等に対する追跡調査の困難性を考慮し、負傷後48時間死者及び30日死者にかかわる調査は可能な範囲で行うものとする。

(5) その他の基本的な取扱い事項は、通常時の火災調査要領に準ずる。

1 震災に伴う火災調査事務の流れ

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2 震災指定火災の調査要領

(1) 震災指定火災の調査は、次表のとおり5つの調査区分に分類し、優先順位にしたがって実施するものとする。ただし、同時に進行できる事項は優先順位にかかわりなく実施できるものとする。

種別

調査項目

調査実施要領

優先順位

火災発生状況調査

○火災発生件数

○火災発生場所

○被害概要の把握

○その他必要な情報の収集及び写真撮影

1 実施時期

地震発生直後から警防本部解散までの間。

2 実施要領

地震の発生直後から消火・救助活動が概ね終息した時点までにおいては、情報収集を実施し、収集した情報を以後の火災調査に活用できるように努める。

(1) 活動要領

震災消防活動時には、複数の火点位置及び延焼方向等の火災進展状況、並びに地震火災特有な現象等、災害状況の記録(写真撮影、メモ等)に努める。

(2) 情報整理

火災発生状況を整理し、合流した火災、重複計上された火災、事後聞知火災等を精査し、火災件数、発生場所及び焼損棟数の把握に努める。

1

り災証明発行のための損害状況調査

○焼損棟数

○焼損面積(概数値)

○区分所有(占有)部分ごとのり災状況

○死傷者(概数値)

1 実施時期

おおむね災害事象が終息した時点以降に早期に実施する。

2 実施要領

調査対象は基本的に火災損害が発生した建物とし、り災証明の記載内容にかかわる調査を実施する。

(1) 現地調査

火災被害を受けた建物(共同住宅等については占有部分ごと)について、住宅地図等と照合しながら、り災状況記録票(様式第2号)の記載事項について調査する。

この調査票は、判明した事実のみを記入することとするが、①り災住所、②建物名称又は世帯主氏名(名字)、③焼損程度、の3項目は必須事項とする。

(2) 情報の整理と報告

課長は、構成市町毎にり災状況記録票(様式第2号)からり災状況一覧表(様式第3号)を作成し、り災証明発行事務の資料とする。

3 り災証明の発行要領

震災指定火災に伴うり災証明の発行手順は、以下のとおりとする。

(1) 申請者にり災証明交付申請書(規程様式第17号)に記入させ、提出を受ける。

発行事務の効率を優先し、本人確認、委任状等は要さないものとする。

「使用目的」欄の記入例

『地震に伴う火災で燃えた住宅の証明』

『地震に伴う火災で燃えた○○の証明』

(2) り災状況一覧表(様式第3号)と照合し受理する。ただし、申請書に基づいて発行する場合もありうる。

(3) 震災に伴うり災証明申請受付簿(様式第1号)を活用し、受付処理(一連番号)をする。

(4) り災証明書(規程様式第18号)を下記の要領で作成し、『いつ(~いつまでの間に)、誰の、何が、燃えた』を最低限の証明内容とする。

「り災年月日」

発行日においてり災した日が特定できない場合は、『○月○日から○月○日までの間』と記入する。

「り災場所」、「り災者氏名」通常時の要領に準ずる。

「り災物件」

建物構造、階層、用途を判明する範囲で記載する。

例:『木造、2階建、住宅』、『店舗併用住宅』

『耐火造、共同住宅の占有部分』

「り災程度」

延床面積、焼損面積が判明する場合は面積を記載する。判明しない場合は焼損程度のみ記載する。

例:『延○○平方メートルのうち○○平方メートルが燃えた』、『全焼した』、『半焼した』、『部分焼した』、『燃えた』

「交付番号」

受理番号を記入し、複数枚の請求による枝番は要さない。

(5) 請求部数をコピーし、消防長公印を押印した後に申請者に手渡す。

(6) 発行部数を受付簿に記入し、交付申請書とり災証明書(控え)をホチキス止めして一時保管する。

(7) 発行事務終了後は、受付簿と交付申請書を併せて所定の保存フォルダに保管する。

2

出火原因及び損害状況等の現地調査

○出火建物

○出火箇所

○出火原因

○損害状況

1 実施時期

現場が破損または撤去される前に、早期に実施する。

2 対象火災

全ての火災。

3 実施要領

聞き込み調査、計測、発掘及び写真等の記録を手段として、出火建物、出火箇所、出火原因並びに火災損害(物的・人的な被害状況)を調査する。

(1) 現場調査の手順は、火災現場付近や避難所での聞き込み調査から始め、活動中の情報等を踏まえて出火建物(場所)及び出火箇所を推定し、発火源となりうる物件を発掘することを基本とする。

(2) 聞き込み調査は、震災聞き込み調査票(様式第4号)を活用し、その信憑性を高めるため複数の証言を得るよう努めること。また、供述者が撮影した写真データ等は可能な限り提供を依頼する。

(3) 発掘作業は、聞き込み調査等の結果から出火原因と推測される物件のほか、発火源となりうる物件の検索を基本とする。

(4) 損害調査は、焼損棟数、面積、損害額及び死傷者数を決定するための調査を基本とする。

3

火災調査結果の集計及び事務処理理

○損害額の算定

○焼損面積(確定値)

○死傷者(確定値)

○り災世帯・人員

1 実施時期

現地調査がおおむね終了した時点

2 実施要領

(1) 焼失前の建物の情報を確認する。(防火危険物施設管理システム、査察台帳、住宅地図、航空写真等を活用する。)

(2) 焼失前の評価額等を算出し、火災による損害額を算定する。(必要により関係機関に情報提供の依頼等を行う。)

(3) 調査書類一式を作成し、火災を覚知した日から180日以内に提出する。

4

将来の行政施策に反映させる各種調査

○延焼拡大状況調査(焼失範囲、焼け止まり線、焼け止まり効果を有した施設等)

○住民の避難動向

○その他必要な調査

1 実施時期

出火原因及び損害の調査終了後に実施する。

2 対象火災

震災対策を進める上で必要となる火災を対象として、発生状況及び要因を調査する。

(1) 街区火災(ブロック内のほとんどを焼損した火災を含む)

(2) 高層建物火災(複数階に著しく延焼した場合)

(3) 地震火災特有の現象(火災旋風等)

3 実施要領

(1) 焼損実態の調査

ア ビデオ及び写真撮影とその内容を住宅地図上へ記録する。

イ 焼け止まり効果を有した施設等(道路、塀、空地、樹木、緑地等)の調査を行う。

(2) 聞き取り調査

当時の局地的気象、延焼方向、延焼物件、消火行為の有無、避難行動などを主眼に聴取する。

5

(2) 各種調査活動の共通事項

震災指定火災においても可能な限り通常時と同様の調査を行うことを目標とするべきではあるが、現実的には詳細な現場見分が極めて困難な状況になり、聞き込み調査による複数の証言、写真、図面等を根拠として出火原因等を判断せざるをえない事態になる可能性が高く、調査書類一式は震災の記録としての意味合いが大きくなる。したがって、写真の撮影意図、図面の作成意図については通常時の調査書類以上に重要に考える必要がある。

ア 関係者の承諾

各種の調査において、り災建物内部へ立ち入る場合は、関係者等の立会い又は承諾を得ることを原則とする。

イ 写真撮影要領

(ア) 火災の規模にかかわらず、焼損範囲だけではなく焼け止まりまで撮影する。

※高所撮影やつなぎ写真を有効活用する。

(イ) 建物等の焼損状況が具体的に解るように位置を変えて数カット撮影する。

(ウ) 出火原因に直結する物件は立証根拠となる必要なカットを撮影し、他の物件はどのような発火源が存在したかを符号を添えて撮影する。

(エ) 撮影枚数が膨大になるため、後でそれぞれの写真がどの位置から何を撮影したのかを整理できるように留意する。

例)ホワイトボード等に、撮影日時、位置、方向、対象、番号等を記入して同時に写し込み、持参した図面に、撮影位置、方向、番号を記入する。

ウ 建物等の面積算定要領

(ア) 建物が倒壊せずに焼損している場合

通常の火災調査と同様に各建物を測定し、焼損面積等を算定する。

(イ) 建物が倒壊し、焼損している場合

建物毎に算定が不可能な場合には番地単位に分けて測定し、焼損面積の概値を算定する。

エ 焼損程度の決定要領

焼損程度は、規程第6条に規定する焼き損害額と火災前の評価額の割合によらず、延床面積に対する焼損面積の割合で決定できるものとする。

焼損程度の区分

延床面積に対する焼損面積の割合

全焼

70%以上

半焼

20%以上70%未満

部分焼

20%未満

ぼや

焼損面積1m2未満、収容物のみ

オ 図面の作成要領

各種の図面は、焼損程度、範囲、名称、構造、用途、規模、風速、道路幅等、その図面毎に必要な事項を記述し、可能な限り詳細に作成する。

カ その他関係機関の情報

県防災航空隊、緊急消防援助隊、警察、自衛隊等から、映像や目撃情報等を積極的に収集、活用すること。

第4 震災指定火災の調査書類作成要領

各様式の作成要領

(1) 震災指定火災における各様式の作成は、規程第46条の調査書類の編さんの基準によらず、次表の基準により作成するものとする。

様式

作成基準

作成要領等

火災調査報告書

(規程様式第29条)

業態、住宅用火災警報器、用途、防火地域、市街地及び気象欄は省略

書類目録

(規程様式第30~31号)

×

作成不要

火災原因判定書

(規程様式第4号)

火災原因調書

(規程様式第4号の2)

火災原因調書を基本とする。

火災出動時における見分調書

(規程様式第2号)

×

作成不要。

実況見分調書

(規程様式第3号)

記載項目は、通常の火災と同様とするが、写真等を多く貼付し、見分内容を簡記する。

質問調書

(規程様式第1号)

現場質問調書

(規程様式第1号の2)

×

作成不要。ただし、震災聞き込み調査票(様式第4号)で代用する。

鑑識・試験結果書

(規程様式第25号)

基本的に作成は不要。ただし、発火源が製造物の場合は、安全装置について現場で可能な限り詳細に見分し、実況見分状況に記載すること。

火災損害状況調書

(規程様式第11号)

「火災保険」欄は省略できる。

火災損害調書

(規程様式第12号)

通常時と同じ要領で作成する。

○○損害明細書

(規程様式第13~16号)

×

作成不要

死者調査書

(規程様式第5号)

性別、職業、氏名及び年齢欄のみ記載する。

負傷者調査書

(規程様式第6号)

性別、職業、氏名、年齢、負傷程度及び搬送医療機関欄のみ記載する。

○○り災申告書

(規程様式第7~10号)

×

り災者に提出は求めない。

※「作成基準」欄の記号凡例:◎=必須、○=状況により必須、△=必要に応じて作成、×=作成不要

※各様式ともに、省略した欄は、記入不必要な欄と区別するため斜線を引くこと。

(2) 火災原因判定

火災原因調書(規程様式第4号の2)を基本としている。ただし、課長又は署長が火災原因判定書(規程様式第4号)による判定が必要としたときは、この限りでない。

ア 現場の位置及び付近の状況

通常時と同じ要領で記載する。

イ り災概要

通常時と同じ要領で記載する。

ウ 現場の模様

写真、図面を多く添付し、見分内容は簡記する。

死者の状況は、発生人数と発生場所の概略を簡記する。

エ 焼損状況

発掘された発火源の状況を簡記する。ただし、発火源が製造物と特定された場合は、現場で可能な限り詳細に分解見分し、安全装置の設置状況等についても記載するよう努めること。

オ 発見通報状況

震災聞き込み調査に基づいた調査状況を記載する。

カ 初期消火状況

震災聞き込み調査に基づいた調査状況を記載する。

キ 出火建物の判定

火災発生状況調査や聞き込み調査から出火建物を判定(推定)する。

ク 出火箇所の判定

現場見分等から特定できない場合は、聞き込み調査から推定する。

ケ 出火原因の判定

発火源が断定(推定)できない場合は、発掘された発火源を羅列し不明とする。

(3) り災状況記録票(様式第2号)

ア 「記録票整理番号」欄は、構成市町毎にり災状況記録票を整理し、一連番号を記入する。

イ 「火災番号」欄は、構成市町毎に、震災に伴う火災の番号

例 震吉1 震松1

ウ 現場での記入欄

(ア) 各項目について、判明した事項のみ記入する。

(イ) 「り災者の氏名等」の「(区分)」欄は、建物等を部分的に所有、管理、占有する場合をいい、全体的な所有等と区別がつくように記入する。

(ウ) 共同住宅等で区分所有等の場合には、世帯ごとに作成する。また、「延床面積」は「専有面積」に読み替える。

(エ) 「連絡先」欄は、り災後の所在地(避難所名称、親族住所等)、電話番号等を記入する。

エ 「焼損見取図番号」欄は、地図と照合する際の突合せ番号(記号等)を記入する。

オ 「写真番号」欄は、り災状況を撮影した写真番号等を記入する。

(4) り災状況一覧表(様式第3号)

データ管理が主目的となる様式であるため、記載項目の変更は禁ずるが、セルサイズの変更は可能とする。

記入内容は、り災状況記録票と同じ。

(5) 震災聞き込み調査票(様式第4号)

震災聞き込み調査票は、質問調書の代用として、関係者等に対して質問した内容を記入するものである。多数の関係者等から録取する必要があるためアンケート方式とし、必要に応じて裏面を活用する。

ア 「整理番号」欄は、構成市町毎の火災番号、火災1件当たりの当該調査票数を一連番号で記入する。

例 吉川市 5号の火災に伴う3番目の調査票の場合

火災番号

震吉5

整理番号

3

この要領は、令和3年3月1日から施行する。

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震災に伴う火災調査要領

令和3年1月28日 消防長決裁

(令和3年3月1日施行)

体系情報
第7編 務/第1章
沿革情報
令和3年1月28日 消防長決裁