○吉川松伏消防組合救急活動に関する事後検証実施要領

令和2年12月11日

消防長決裁

(目的)

第1条 この要領は、吉川松伏消防組合救急業務に関する規程(平成20年消防本部訓令第11号。以下「救急業務規程」という。)第2条第1項第9号に定める埼玉県東部地域におけるメディカルコントロール協議会(以下「東部MC」という。)の事後検証ガイドライン及び第10条第3項に規定する事後検証の実施に関し必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この要領において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 一次検証 救急活動について消防本部、消防署で実施する検証をいう。

(2) 二次検証 一次検証を踏まえ医学的観点から検証医が実施する検証をいう。

(3) プロトコール 傷病者に対して行う各種観察・処置などの手順を医学的に標準化したもので、救急活動の基準、指針となるものをいう。

(4) スクリーニング 対象事例となる救急活動が検証に該当するかを精査することをいう。

(検証範囲、対象)

第3条 消防署における検証は、出動した全ての救急活動について実施するものとする。

2 消防本部及び消防署において、指定する検証者による一次検証(以下「署内事後検証」という。)及び検証医による二次検証の対象症例は、別表1のとおりとする。

(検証方法)

第4条 消防署における検証は、課題等を抽出するため、東部MC事後検証ガイドラインの一次検証の方法に則り、自隊及び同署他中隊、救急係において、適宜、実施するものとする。

2 前項の検証において、一次検証の対象症例に該当する場合は、東部MC事後検証ガイドラインに基づき、消防本部警防課及び消防署において別表2及び別表3の方法により、当該症例を毎翌月に署内事後検証を実施するものとする。

(検証者)

第5条 前条第1項による消防署における検証者は、救急隊長又は救急隊を管理する職にある者があたるものとする。

2 前条第2項による署内事後検証における検証者は、救急業務規程第13条に規定する指導救命士、同規程第12条に規定する救急技術指導者があたるものとする。

(検証手続き)

第6条 第4条第2項の規定により消防署の検証において、一次検証の対象症例に該当する場合は、様式第1号を消防本部警防課に提出するものとする。

2 前項により提出された症例は、消防本部警防課においてスクリーニングを行い、署内事後検証を実施する場合は、当該活動隊より必要書類の提出を求めるものとする。

3 第2項による必要書類で、症例が内因性の場合は、次の各号に掲げる書類とする。

(1) 様式第2号の1による内因性事後検証票

(2) 救急業務規程第44条第2項に規定する検証票(救急活動記録票)

(3) 救急業務規程第44条第4項に規定する心肺停止検証票(心肺停止状態の傷病者に対し救急活動を行った場合)

(4) 救急支援活動報告書(救急支援活動実施要綱に基づく支援活動があった場合)

(5) その他必要な書類

4 第2項による必要書類で、症例が外傷性の場合は、次の各号に掲げる書類とする。

(1) 様式第2号の2による外傷性事後検証票

(2) 救急業務規程第44条第2項に規定する検証票(救急活動記録票)

(3) 救急業務規程第44条第3項に規定する外傷傷病者活動記録・検証票(高リスク受傷機転により受傷した傷病者等に対し救急活動を行った場合)

(4) 救急支援活動報告書(救急支援活動実施要綱に基づく支援活動があった場合)

(5) その他必要な書類

(署内事後検証、二次検証)

第7条 消防本部警防課は、各検証者と日程を調整し、検証票等の必要書類について、様式第3号による事後検証チェックリストにより署内事後検証を実施するものとする。

2 署内事後検証において二次検証の必要性があると判断した症例及び二次検証の対象症例については、消防本部警防課にて検証票等を二次検証者に提出し、当該活動隊等は、面談式による二次検証を受けるものとする。

(検証結果)

第8条 前条による検証後の検証票等の検証結果は、庁内ネットワークの共有フォルダへの登載等により共有化を図り、救急隊等にフィードバックするものとする。

(通信の検証)

第9条 救急要請に係る通信の検証は、口頭指導に関する実施要綱(平成12年消防本部訓令第2号)第11条の規定により、適宜、指令室において実施するものとする。

2 指令室は、必要に応じて検証対象症例に係る通信において、必要書類の作成、各検証への指令員の出席を行うものとする。

この要領は、令和3年1月1日から施行する。

別表1(第3条関係)

検証対象症例

 

一次検証

二次検証

1

CPA症例

左のうち、以下の症例

・気管内チューブによる気道確保を実施した症例

・救急現場(現場出発後を除く)でアドレナリンを投与した症例

・PAD(市民による除細動)症例

2

自己注射が可能なアドレナリン製剤によるアドレナリンを投与した症例

同左

3

血糖測定並びに低血糖状態である傷病者にブドウ糖溶液を投与した症例

左のうち、救急救命士が初めてブドウ糖溶液を投与した症例

4

心肺機能停止前の重度傷病者に対し静脈路確保及び輸液を行った症例

同左

5

東部MC地域外の医師(Drカー、Drヘリや他MC地域の救命センター)の指示により特定行為を実施した症例

同左

6

社会的影響が大きいと予想される症例

同左

7

搬送困難症例

同左

8

東部MCが定めた外傷事後検証要領に基づき選別された症例

同左

9

東部MCの検証医が事後検証を指示した症例(以下の症例を含む)

・アンダートリアージによる転送

・救急隊管理下で様態悪化

同左

10

消防本部が検証を希望する症例

一次検証者が二次検証の必要性があると判断した症例

11

救急隊長等が事後検証の必要性があると判断した症例

一次検証者が二次検証の必要性があると判断した症例

備考

上記8外傷事後検証要領に基づく一次検証対象症例

高リスク受傷機転により受傷した傷病者、あるいは医療機関において傷病者引継ぎ時、重症・死亡と認定された傷病者の中より以下に一致した症例

1

多数傷病者発生症例(重症・死亡2名以上)

2

救急隊管理下となってから病院選定開始まで20分以上を要した症例

3

救出に20分以上掛かった症例

4

高リスク受傷機転で病院連絡に5件以上連絡した症例

5

現場に医師、Drヘリ、Drカー要請症例

6

重症外傷(気胸、フレイルチェスト、穿通異物等)症例

7

二次医療機関へ搬送後、重症と診断された症例

8

初診時死亡を除く二次医療機関収容後調査時に死亡していた症例

9

最終判断ロード&ゴー症例

高齢者の自己転倒による大腿部骨折、縊頸、CO中毒、多数傷病者発生以外の単独外傷CPA症例を除く

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吉川松伏消防組合救急活動に関する事後検証実施要領

令和2年12月11日 消防長決裁

(令和3年1月1日施行)